プロフェッショナルプリセールスラボの黒澤慎です。
今から10数年前の私は、営業やプリセールスコンサルタントとして駆け出しの頃でした。毎日毎日、目の前のお客様・案件をさばくことだけで一日が終わる。気がつけば終電・・・そんな毎日でした。ただ、やりがいや充実感を持って仕事をしていたので、長時間働いていてもモチベーションを継続できていたのでしょうね。
さて、そんな当時の私は、上述のようにお客様や案件をさばくことだけで一杯一杯になっていました。心に「余裕」がなかったのでしょう。なので、営業として、プリセールスコンサルタントとしてお客様対応する際に、ちょっとお客様から責められると、それに敏感に反応し、議論でお客様を負かそうとしていました。例えば、
お客様:「システムの○○機能に問題があると思うのですが・・・」
私:「いや、そんなことは絶対にありませんよ。どういう根拠でおっしゃっているのですか?」
お客様:「根拠ってわけじゃないけど・・・もういいです」
こうしたやりとりの結果、案件を失注してしまったり、既存のお客様との関係性が悪くなってしまったりと、本当にダメダメな営業・プリセールスコンサルタントだったと思います
尊敬する人をモデリングして変わった
しかし、ある人との出会いをきっかけに、状況は好転したのです。そのある方は、いつ、どんな時でも物腰が柔らかく、どんな話でも「否定」をしない方でした。話をしていると「安心するなあ」と思ったことをよく覚えています。私は、いつしかその方をモデリングするようになりました。話し方、使う言葉、振る舞い方など。そうしているうちに、お客様や周りの社員への接し方が変わってきたのでしょう。「黒澤には安心して話せるな」とか「黒澤には気軽に相談できるな」といった雰囲気を醸し出していたのかもしれません。
私の中でも変化がありました。例えお客様からネガティブなご指摘を受けても、以前のように「否定」から入るのではなく、とにかく話をよく聞くようになっていました。いつしか、私の中の「安心力」が高まっていたのかもしれません。そうしているうちに、受注獲得に貢献すること多数、高難度のプロジェクトを成功させること多数。私のパフォーマンスも上がっていったのです。
安心力を高めるために
後で、いろいろなコツがあることに気がつきましたが、当時を振り返ると次のようなことを意識していました。
- お客様や周りの社員には、いつも笑顔で接する
- 相手の話をさえぎらない、最後まで聞く
- 何でも「できる」と言わない。できる範囲、できない理由を言う
これ、意外とできていない人が多いのです。あなたはいかがですか?
こうした所に少しだけ気を配るだけで、自分の心持ちも変わり、相手の受け取り方も劇的に変わってきますよ。