プロフェッショナルプリセールスラボの黒澤慎です。

私が営業・プリセールスコンサルタントとして駆け出しの頃、懇意にしていただいていたお客様がいらっしゃいました。

社員は5名程度の中小企業で、社長自らが対外的な折衝を担当されていました。女性社長で、かなりパワーのある魅力的な方だったのを覚えています。

さて、私がそんな中小企業様の営業担当をさせていただいたのですが、ある案件でちょっとしたトラブルが発生しました。

というのは、あらかじめ設定しておいた期日までに制作物(当時作っていたのは展示会用のパネルのデータ)を納品せねばならなかったのですが、どうしても間に合わない状況になってしまったのです。

そのため、すぐに社長に電話をしたのですが、つながりません。オフィスに電話してもだめ。これは仕方がないと、メールで一報を入れておいたのでした。

翌日、社長から電話がかかってきました。第一声から「約束したものが届いてないけど、どうなってるの!?」と、興奮されていました。

当時の私は社会人経験が浅く、こうしたクレーム対応にも慣れていないため、社長の勢いに押されてただひたすら電話口で「すみません」と謝ることしかできなかったのです。

昨日社長に電話をしたもののつながらなかったこと、メールで一報を入れておいたことも説明できずに・・・。

納期が遅れたことに関して、ビジネス上の影響は出なかったのですが、このお客様・社長との関係性という点においては、「やばいな・・・」と思っていたこと覚えています。

そして数日後、社長から電話がかかってきました。

私は「先日はご迷惑をおかけいたしました」と改めてお詫びしました。

すると社長から思いがけない話をされたのです。

「納品の前日、電話とかメールをくれていたんだね。確認していなかったのはこちらのミスでした。ごめんなさい。でも黒澤さんは、言い訳せず、私たちのせいにしなかったよね。ありがとう。」
(一言一句覚えていませんが、こんなニュアンスのことをお話しされたと思います)

思いがけない展開でした。

私の落ち度が大きいことには間違いないのですが、言い訳をしなかったこと、電話に出ない・メールを見ていなかったお客様のせいにしなかったこと、これが「黒澤なら安心だ」とお客様に感じてもらえるきっかけになったのかなと思います。

この件があってから、このお客様・社長にはいろいろと面倒を見ていただいて、公私ともに大変お世話になりました。

あなたのお客様への対応はいかがですか? 誰かのせいにしていませんか?